安田記念ニュースまとめ

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堀厩舎の2頭ーモーリスとリアルインパクト
モーリス

◆安田記念追い切り(4日)

 安田記念に出走する堀厩舎のモーリスとリアルインパクトが4日、美浦のWコースで追い切った。11年の覇者である後者が、3連勝中の前者に半馬身先着したが、ともに折り合いがつき、上々の仕上がり。先週のダービーをドゥラメンテで制し、全国リーディングを走る東の看板厩舎が、2週連続G1制覇を達成するか。この日、フルーキーが出走を回避したが17頭のメンバーが確定。枠順は5日に決まる。

 淡々と最終調整を終えた。モーリスはリアルインパクトを4ハロン地点から1馬身追走。直線で馬なりのまま進み、半馬身遅れでフィニッシュ。時計は52秒9―12秒5だった。折り合いを見守った堀調教師はこう振り返った。

 「折り合い、ハミ受けを含めて課題があるのでその確認と、あとはやり過ぎないことが一番の重要な点でした。その点としては良かったのかなと」

 前走のダービー卿CTは、2着のクラリティシチーにマイル戦では決定的とも言える3馬身半差をつけ、重賞初制覇をレースレコードで飾った。ラスト3ハロンは直線の短い中山で秀逸の最速33秒0。文句のつけようがない前哨戦に見えたが、堀師の見立ては違った。

 「馬群に入り、いい位置で進めていくつもりだったが、後ろからになった。結果としては良かったが、内容は意図していたものとはだいぶ違った」

 堀厩舎へ転厩後、破竹の3連勝を飾ったように、能力の高さを疑う余地はない。

 「まだ課題の方が多い馬で、完成もしてないんですけど、ポテンシャルは高い。状態もまだまだ良くなるとは思うが、その中で能力を出せる出来には仕上がっている。良い競馬をお見せできれば」

 タマモクロス(88年天皇賞・春)やアロンダイト(06年ジャパンCダート)など条件戦から一気の連勝で頂点まで上り詰めた例がある。上がり馬の勢いで、ドゥラメンテに続く堀勢2週連続Vを狙う。(西山 智昭)

 

リアルインパクト

 道中1馬身先行から外に進路を取ったリアルインパクトは軽く仕掛けてゴールへ。貫禄の半馬身先着を果たした。追い切り強度が後輩より上だったのには理由がある。堀師は「(豪州遠征後の)着地検疫などで調教期間が短かった分、先週までは足りないと感じていた。その分、しっかりやった。先週よりしまいの切れが出て、一歩前進した」こちらも合格点だ。

 昨春は不振が続いたが、12月阪神カップで復活V。今春は豪州G1のジョージライダーS1着、ドンカスターマイル2着とすっかり完成の域だ。師は「まず昨年に比べ、状態が良くなった。レースの流れの乗せ方というか、ジョッキーの騎乗方法も結果に結び付いている。(豪州では)違う環境の中で馬が頑張ってくれたし、ジョッキー(マクドナルド)も初戦から馬の適性を素早く見抜き、能力を出してくれた」と人馬の頑張りを称えた。

 安田記念は3歳時の11年にG1初制覇を飾った思い出舞台。師は「4歳は4歳なり、7歳は7歳なりに成長する。高齢は関係ないと思う。体調もキープしているので、この馬の力を出せれば」と4年前の再現を祈っていた。

 
 リアルインパクト、同一G1最長間隔Vなるか

 3歳時に安田記念を制したリアルインパクトは4年ぶりの同一G1優勝に挑戦。勝てば、カネヒキリのJCダート(3歳の05年→6歳の08年に2度優勝)を上回り、同一G1最長間隔勝利記録となる。

 グレード制導入の84年以降、安田記念で7歳以上の優勝は96年トロットサンダー(牡7)、01年ブラックホーク(牡7)、06年ブリッシュラック(セン7)の3頭。

 

クラレントとレッドアリオンの同厩の兄弟

 橋口弘厩舎が送り込む2頭は坂路で“兄弟スパー”。序盤からびっしりと馬体を併せ、両馬共に4F54秒9、1F13秒0で併入した。

 2連勝中と勢いのある弟レッドアリオンだが、追い切りの手応えでは兄クラレントに見劣り。それでもしぶとく食い下がって意地を見せた。「動きも時計も想定内。速い時計を求めるならジョッキーを乗せて目いっぱいやればいいが、そんなつもりはなかった」と橋口弘師は納得の表情。

 一方、重賞6勝のクラレントは、兄の威厳を誇示するように弟をあおる手応えで躍動。師も「6歳ならまだ老け込む年齢でもない。さて、レースで兄弟のどっちが前(の着順)に来るだろうね。本命のいないG1という感じ。ウチの馬も候補には入る」とニヤリ。

 過去2度の直接対決では、いずれも弟が先着しているが、果たして今回は?連勝の勢いで初G1を狙う弟と、重賞6勝の実績がありながらG1は6度挑戦して未勝利の兄。追い切りでは互いに譲らなかった2頭が、一族悲願のG1制覇へ火花を散らす。

 
主役級の2頭
フィエロ
 

◆安田記念追い切り(3日)

 3日に栗東、美浦の両トレセンで追い切りが行われた。悲願のG1初制覇を狙うフィエロは栗東の坂路で、戸崎を背に51秒4―12秒6。時計、動きともに上々の『G』評価で併走相手を5馬身突き放した。これまで優勝経験がない前年のマイルCS2着馬が、ジンクスを吹き飛ばすか。同じくこれまで優勝馬が出ていないNHKマイルC覇者のミッキーアイルは栗東のCWコースで、カレンブラックヒルは坂路でそれぞれ好時計をマークし、好調をアピールした。

 思った以上の手応えだった。朝一番に坂路へ入ったフィエロはルペールノエル(5歳500万)を追走した。徐々に差を詰め、並びかけて迎えたラスト200メートル。戸崎が合図を送ると、素早く反応して一気にスパート。ラスト1ハロン12秒6とシャープに伸びて、僚馬を5馬身置き去りにした。

 全体は51秒4とこの日の3位タイ。「抜け出すのが早くなるくらい手応えがよかった。仕掛ける前からよく、前回乗った時と全然違います」と戸崎は声を弾ませた。手綱を執った前走の読売マイラーズC時もラスト1ハロン12秒3の好タイムで締めたが、それを上回る感触に「良くなっています」とほおを緩めた。

 その読売マイラーズCは後方を追走したが、スローペースで馬群が固まり、追い出しが遅れるロス。前をとらえきれず、0秒1差の3着に敗れた。「能力を出し切れず、不完全燃焼。もう少し前の位置でやれればよかった。悔いが残るレースでした。今度は、という気持ち」と、2度目のタッグを組むG1での雪辱へ表情を引き締めた。

 昨年3月にオープンへ昇級後は白星はないが、昨秋のマイルCSは鼻差2着の惜敗。昨年末にはともに香港へ遠征、G1で惜敗を続け、戸崎で挑んだヴィクトリアマイルが待望のG1初制覇となった厩舎の同期、ストレイトガールに続きたい。「一瞬の脚が速く、ストレイトガールと同じようなタイプ。東京のマイルは合っている。リズムよく走らせたい」と力を込めた。ひと叩きで思惑通りに上向く6歳馬が混戦を断つ。

(橋本 樹理)

 
ミッキーアイル
 

 春の最強マイラーを決める「第65回安田記念」の追い切りが3日、栗東、美浦トレセンで行われた。4年ぶりの産駒Vへディープインパクトは大挙6頭出し。その中でミッキーアイルはCWコースで僚馬を先導させての我慢を利かせた調教を披露。昨年16着からのリベンジへ、心身の成長をアピールした。なお、同レースは4日に出走馬が確定する。

 ミッキーアイルはCWコースでサンライズスマート(6歳準オープン)の後ろでじっと我慢。道中行きたがる面をみせつつも、浜中がなだめて折り合いがついた。馬なりのまま直線内に向けて、仕掛けるとギアチェンジ。楽々と1馬身先着した。2週連続で騎乗した浜中の感触がいい。

 「先週乗せてもらったときにある程度仕上がったな、という印象でした。きょうも道中の折り合いを確認。変わらずいい動きでしたね」

 高松宮記念(3着)からの2F延長が最大の鍵か。初の1200メートル起用で“短距離仕様”になったことを考慮し、中間はリフレッシュ放牧に出された。帰厩後の追い切りはCWコースのみ。音無師が意図を説明する。

 「マイルになるので折り合いを大事にして。浜中が坂路だと最初にハミをかむからCWコースの方が乗りやすいと言っていた。コースだけっていうのは初めてかな」

 最終追いについても「時計(6F81秒7~12秒4)どうこうより折り合い重視。予定通り」と納得の表情だ。

 今年の2戦は逃げでなく控える競馬。前に馬を置き我慢させる調教が実を結びつつある。浜中は「以前に比べて無駄なことをしなくなりました。まだ100%ではないけど、徐々に成果が出ています。前走時の追い切りは前に2頭を置いて我慢させていたけど、ここ最近は1頭だけ。脚質に幅が出ているのは間違いないですね」と胸を張った。東京芝1600メートルは昨年のNHKマイルCを勝った条件。続く安田記念は16着に沈んだものの「不良馬場が一番の敗因。良馬場の方がいいので」と歯切れよく分析。巻き返しを期している。

 「今年は逃げても控えてもどちらでも大丈夫。スタートがかなりいい馬なので、どの馬もハナに行かないようなら自然と行くことになるかも。他の馬が行けばその後ろで我慢すればいいので」

 心身とも成長し、作戦に選択肢が増えたのは大きい。昨年のリベンジへ。この馬が再びマイル界で覇権獲りを狙う。